骨密度測定について
骨密度測定方法
検査用のベッドに仰向けに寝ていただき、測定部位の位置を決め、ごく微量の放射線を使用し、腰椎と大腿骨をそれぞれ測定します。
検査時間は5分程度です。
測定中は動かないようにしていただくだけで、息を止める必要はありません。
骨密度測定は何歳くらいから受ければ良いか?
「この前、『背が小さくなったんじゃない』って、言われた」
「そういえばお友達が、転んで骨折して入院したらしいの」
「ご近所のおばあちゃん、最近寝たきりになっちゃったらしいの」
こういった話題、割と身近にありませんか? これらは全て、骨粗しょう症が関係しているかもしれません。
骨粗しょう症は、骨が丈夫でなく、骨折を起こしやすい状態にあることを言います。
もちろん、いま特に痛みを感じてなくても、です。骨がスカスカになって骨折しやすくなる状態です。最初は自覚症状ないまま進行します。その後腰や背中に痛みが生じ、整形外科等の医療機関を受診してから見つかることが多いです。
骨密度は19歳ごろをピークに、40歳代後半まではそれが維持されますが、50歳を過ぎた頃から徐々に、少しずつ減っていきます。そのため骨量が減少することは生理的な減少とも言えます。いわゆる「トシのせい」です。
しかし現在、日本人の平均寿命は女性:87.26歳、男性:81.09歳(2017年)で、世界でもトップクラスです(女性は世界2位、男性は3位)。近年健康に対する意識が高まり、生活習慣の改善が結果に表れており、今後も伸びる可能性があると、厚生労働省は考えています(2018年7月20日 朝日新聞)。
一方で「健康寿命」という視点があります。これは「健康上の問題で、日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されており、要は「介護を受けたり寝たきりになったりせず、日常生活を送れる期間」のことを言います。健康寿命の最新の調査では、女性:74.79歳、男性:72.14歳(2016年 厚生労働省)。その3年前の調査との比較では、健康寿命は伸びているものの、統計上は平均寿命との間に、女性は約13年、男性は約9年の差があります。この差が「介護などが必要となる期間」になります。
現在「65歳以上で介護が必要となった原因」(内閣府調査 平成30年)を見ると
1位:認知症 18.7%
2位:脳血管疾患(脳卒中) 15.1%
3位:高齢による衰弱 13.8%
4位:骨折・転倒 12.5%
5位:関節疾患 10.2%
6位:心疾患 4.7%
7位:その他・不明・不詳 24.9%
整形外科関連の疾患で約20%強の方が、介護が必要な状態になっており、そのうちの半数以上は転倒、骨折によるものというデータが出ています。
当院ではこの「健康寿命を延ばす」という観点から、骨粗しょう症の治療を開院時より積極的に行なっております。
骨密度は歳を重ねるごとに減少の一途をたどるため、骨粗鬆症になってから治すのは大変です。何事も早めが肝心なため、60歳以上の方には骨密度測定を勧めております。